情報通信 顔認証システムによる個人認証・表情認識

ココがポイント

これこそ、悩める日本社会のソリューション!
「弱者の子供とお年寄りから、イジメと孤立を妨げる仕組みが可能です」

「人間関係をコンピュータビジョンで把握する」ことに、この研究の価値があります。我々人類にとって、人間関係は最大の関心事です。従来研究では、TwitterやfacebookなどのSNSにおける人間関係をソーシャルグラフで可視化する方法が提案されています。
しかし、本来の人間関係は人と人とが顔をあわせて築いていくことが自然です。映像情報から個人を識別し、更に喜怒哀楽等の感情を認識し、人間関係を分析して可視化することで、高齢者介護、幼児保育と様々な応用先に期待されます。
画像の取得方法は応用先により、「定点追跡型カメラ」「メガネ装着カメラ等のウエアラブルカメラ」「ロボットに装着したカメラ」「室内飛行船装着カメラ」等が考えられる。更にウエアラブルな生体情報機器と連携することにより飛躍的に応用範囲が広がります。

概説

映像機器を用いた保育園業務の情報化が活発に検討されている。しかし、その多くは防犯のために監視カメラを設置しているに留まり、不審者を検出するための汎用的なセキュリティ機器として用いられている。また、監視カメラで園児を撮影し、その映像を育児資料としたり、保護者に提供したりするシステムが開発されているが、いずれも生映像の活用でしかない。

ここでは、保育士にメガネ型のビデオカメラを着用させて園児を撮影し、顔認証システムを用いて個人を識別する。
映像中に複数の園児が登場することから、これらの情報を用いて園児間の関係を図示することを検討する。また、保育士と園児との関係も記述できる。園児の表情や視線を認識し、これらの属性を記載することが可能である。このような人間関係図をソーシャルグラフと呼ぶ、これにより、保育士の視野に入る園児の頻度や、園児の仲良しグループ、孤立児などを明示する一手法が提供できる。
保育士により質の高い保育日誌がつけられているが、この保育日誌に加え、映像システムによる客観的な資料が得られる。これを用いて育児レベルや安全対策を保証したり、業務改善の積極性を明示したりする意義は大きい。

図1 複数園児の個人認証・表情認識

図1 高齢者でも個人認証・表情認識

顔識別とソーシャルグラフ生成

保育士はビデオカメラが実装されたメガネを着用し、園児を撮影する。このメガネは一般的なメガネと外見は変わらず、重量も変わらない。
日頃、メガネをかけない保育士の場合、園児がメガネの着用を意識する場合があるが、一過性のものであり、保育業務に支障が少ない。撮影された映像には、保育士が対応した園児が写っている。
顔認証システムを用いて、映像に登場する園児を識別し、さらに、表情や視線も認識する。 
図1に示すように、園児の名前と表情、感情の程度を表示できる。また、同じフレームに複数の園児が写っている場合、これらの園児を同時に認識する。園児が写っているシーンを名前から検索することも可能である。識別された園児の情報から図2に示すソーシャルグラフを生成する。図中の長方形のノードは撮影された映像のフレームであり、これが保育士を示す、また、図中の円形のノードは園児を示す。保育士から園児へのエッジには、映像における園児の登場回数を示す。また、園児間のエッジには、園児2名が同時に登場する回数を示す。各園児のノードには、真顔および喜怒哀楽の回数を示す。

図2 園児と保育士のソーシャルグラフ

ソーシャルグラフ生成結果

・2つの仲良しグループ
・「たくろう君」、「たつひろ君」、「よしひろ君」は目立ちたがり屋
・「たくろう君」と「よしひろ君」は中心人物
・「まこと君」と「じゅんや君」は孤立児
・「たくろう君」は友達多い
・「かつき君」は「みさとちゃん」が必要
・「たくろう君」はいつも泣いている
・「みさとちゃん」はいつも驚いている
・「とおる君」は無表情

  • 「たくろう君」、「たつひろ君」、 「よしひろ君」は目立ちたがり屋

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