植物由来の 医薬品原料を技術開発 微生物を用いた生産で 問題解決に取り組む

理工学部 生命科学系 4年
大阪府/四條畷学園高校 出身
中田 琴子 さん

研究テーマ 植物由来医薬品原料の 微生物生産技術開発

微生物に人工代謝経路を導入して、植物由来の医薬品原料を生産する技術の開発に取り組んでいます。具体的には、鎮痛剤などに使われるモルヒネの原料となるベンジルイソキノリンアルカロイド類の生産が目標です。この薬品原料は、構造が複雑であり、工業的な生産においては植物からの抽出が一般的です。そのため気候変動の影響を受けやすく、供給が不安定になることがあり、かつ、栽培期間が3~5年と長いことも難点です。また、植物の重量比にしてわずか数パーセントしか抽出できないことも供給の難しさになっています。そこで、微生物を用いた生産に切り替えることで、問題を解決できると考えています。人工代謝経路は、カスタマイズ性が高く、意図する場所で反応を止めることができます。また、酵素を改変することで生産量の向上を見込めること、直接フィードバック阻害を受けないことも利点です。卒業研究では酵素の改変に取り組み、生産量を向上させることができました。その結果を国内の複数の学会で発表をする予定になっています。%の人々が主食にしていると推定されており、多くの人を助けることができると考えています。開発するためには、まずイネとセレンの関係性を明確にする必要があります。イネによるセレンの取り込みを細胞レベルで調べるために、イネの未分化培養細胞であるカルスを使っています。これまでの研究で、イネのカルス細胞内に取り込まれたセレン化合物は、その化学形態が変化して不溶性のナノ粒子になることが分かってきました。セレンの化学形態変化の詳細やセレンを高蓄積する添加条件などを、さらに明らかにしたいと思っています。この研究を、セレンを多く含むイネの誕生につなげて、世界の健康問題の解決に貢献したいと考えています。

植物由来医薬品原料の微生物生産技術開発のイメージ画像

私たちの「D!」は DNA

DNAを用いた技術によって世界を変えたい

遺伝子(DNA)は人間を含めた生き物すべての根本であり、あらゆる可能性の源でもあると思う。深く知り、正しく使うことで、世界をこれまでにないほど豊かにしたい。

合成生物学研究室とは

あらゆる遺伝子(DNA)配列を人工的に合成する技術により、生命システムをデザインし、生み出すことを研究。特に健康・医療などに貢献するバイオテクノロジーの開発に力を入れている。

高橋 俊介 准教授

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