第5号 「改革実行は、今をおいて他にない」

2009.07.10

自動車最大手のゼネラル・モーターズの経営破たんのニュースが世界に流れてから、約1ヶ月がたちました。キャデラックやシボレーといった有名ブランドをもち、販売台数は75年以上も世界一を維持、従業員26万人の大企業でした。世界金融危機の影響があったとは言いながら、世界一という驕(おご)り、社内・外の意見に耳を貸さず、経済環境に順応できない姿があったとも指摘されています。
 振り返って日本の大学を考えてみますと、定員を満たせない大学が昨今増加しています。よく言われることですが、18歳人口の減少は18年前にすでに判っていた事実であります。大学は18歳人口減少の対策を考える時間が十分にあったわけです。しかし、何ら対策を打てず、自校の入学者が定員を割って、はじめて事の重大さに気づくというのが、今の姿ではないでしょうか。
 一般に、企業では経営危機に直面してから改革に着手しても手遅れであるといわれます。良い企業ほど、経営が順調なうちに将来を見越し改革を着々と実行しております。またそうした企業では、会社の目標を社員が共有しており、自分の役割、課題や問題点を具体的に把握し、社員同士が分かち合いながら仕事をしています。企業の受付、電話対応だけでも企業の社風を感じる機会は多いのではないでしょうか。
 仕事とは“事に仕える”と書きます。学校では、建学の精神や教育・研究理念にのっとり、顧客のニーズを把握し、なすべき事を当たり前にすることが仕事と言えるでしょう。100年の歴史や伝統に驕らず、真摯な気持ちで意識改革を行い、心をひとつにしていくこと、私が提唱している“TDU Shares“の心をもつことが最も重要であります。本学の改革実行は、今をおいて他にないと考えます。

☆☆☆理事長メッセージ 第5号(2009.07.10)☆☆☆
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