No.38 【TDU新キャンパス創設だより】

2011.05.27

【はい、創設本部です】

○ 工事の進捗状況

東京千住キャンパスの建設工事は、当初の予定通り進捗しています。
高層部の外装工事を完了した3月下旬からは、1号館(W棟)のタワークレーン1号機を皮切りに、4月上旬には4号館(S棟)、4月中旬には1号館(W棟)2号機、4月下旬には2号館(N棟)のタワークレーンを順次解体・撤去しました。
また、4月27日には1号館(W棟)及び3号館(E棟)の、5月11日には4号館(S棟)の、5月17日には2号館(N棟)の第1回目となる消防中間検査を順次受検し、各々特段の指摘なく合格しました。
現在は、各建物で内装工事及び設備工事を進めています。 1号館(W棟):内装工事、設備工事及び大階段の基礎躯体工事を進めており、低層部の外装工事(ホール部除く)を完了し、足場を撤去しました。
2号館(N棟):内外装工事、設備工事及び学生の主導線となるエスカレータ(1階~10階:計18基)のうち、1階から2階部分を除く16基の設置を完了しました。
3号館(E棟):厚生棟部分及び学生会館部分の内外装工事を進めるとともに、体育館部分の地上躯体工事を進めています。
4号館(S棟):内外装工事及び設備工事を進めています。
ブリッジ工事:4月末より、区画街路12号線を跨ぐ東西のキャンパスを結ぶ2本のブリッジの基礎工事を開始しました。

内装工事及び設備工事20110420

工事の進捗状況

【トピックス】

○ステークホルダーへの説明会について

ステークホルダーへの説明会

5月14日開催の東京電機大学中学校・高等学校同窓会総会で、東京千住キャンパスの概要及び工事の進捗状況等について説明を行ないました。
当日は、75名の電中・電高のOBにご参加いただき、東京千住キャンパスのご理解を深めていただきました。
今後とも、随時ステークホルダーへの説明会等を実施していく予定です。

○ 東京芸術大学宮田学長が本学を訪問

東京芸術大学宮田学長が本学を訪問

3月に東京藝術大学の宮田亮平学長が本学を訪問されました。東京藝術大学は、足立区5大学学長会議のメンバーで、先生はイルカをモチーフにしたオブジェで有名です。そこで、東京千住キャンパスに先生の作品を設置する話が持ち上がり、制作スケッチが完成したため持参されたのでした。当日は、加藤理事長、古田学長などがお迎えし、作品に込めた思いや今後の制作過程、苦労話などに花が咲きました。

○ 足立区長ご来訪

足立区長ご来訪

4月20日、近藤足立区長、副区長、教育長、以下足立区役所の方々(総勢21名)が、東京千住キャンパス の見学にお見えになりました。
当日は、加藤本学理事長の挨拶の後、教員室予定箇所、屋上庭園、ホール予定箇所、免震装置・共同溝等を視察いただき、最後に近藤区長よりご挨拶を頂戴しました。
今回の新キャンパス建設では、足立区からも非常に大きなご期待とご協力をいただいております。今度とも、機会があれば区に対し積極的に説明を行ってまいります。

○ リエゾンセンターが開設されました!

東京千住キャンパス開設に先駆けて、産官学交流センターでは足立区との産学公連携交流活動を平成21年9月から推進して参りました。これまで、足立区内企業を対象とした専門講座や、本学研究室見学会、本学教職員学生を対象とした区内企業の工場見学会、産学公連携セミナーを開催するなど、100を超える産学公連携や、のべ100社を超える技術移転交流など、大変活発な活動を展開してきました。
これまで、産官学交流センターが実施してきた足立区との交流事業の一部を拡張し、大学のもつ知的財産等を地域産業や社会に提供することにより、更に地域に根ざした活動を行うため、平成23年4月、足立区との間で産学公技術連携促進に係る「業務委託契約」が正式に締結され、リエゾンセンターが開設されました。
リエゾンセンターで、大学の知的財産・資源を活用して、
 ・企業ニーズと大学のもつ」技術とのマッチングによる新たな産業の創造
 ・企業のニーズに合わせて大学の技術を移転
 ・企業と大学の共同研究
といった現代的な課題に取り組むことを活動の目的としております。
なお、本事業を推進するために産官学交流センターの鈴木通夫氏がリエゾンセンターのコーディネーターに就任いたしました。
今回のリエゾンセンター開設を機に、今後、より一層の地域密着型の産学公連携活動を展開して参ります。

○ 受験生に紹介された新キャンパス

2012年入試向けの大学パンフレットで、東京千住キャンパスの詳細を見開きでお伝えしています。来年度に工学部・未来科学部に入学する受験生は学生生活を新キャンパスでスタートしますが、きっとイメージを膨らませてくれることでしょう。もちろん、新キャンパス情報以外にも就職支援体制など本学の魅力を余すところなく掲載しています。大学パンフレットを見かけましたら、是非手に取ってみてください。

新キャンパス

【免震・制震"ここまでやるか地震対策"】(こんなにすごい新キャンパス シリーズ2)

免震・制震

東日本大震災から約2ヶ月、東京では余震も収まってきた感じです。おかげさまで東京直下型地震を想定して建設されている東京千住キャンパスは、目立った被害もなく工事は順調に進んでいます。でも油断は禁物ですね。
さて、今回は東京千住キャンパスの地震対策をレポートします。実はここには、専門家も驚くほど質・量ともに万全の対策がありました。キーワードは「ダンパー」。地震の揺れを熱エネルギーに変えて吸収し、長時間建物が揺れ続けることを防止する装置です。
超高層ビルで怖いのは、地震の周波数と建物の固有の周期が合致して激しく揺れてしまう「共振」という現象です。東京千住キャンパスでは、この共振を防ぐために免震構造を採用しています。免震構造は、地面と建物の間に免震装置を設置して地面の揺れを建物に伝えにくくする構造で、建物を支え地震時の揺れを受け持つ積層ゴムと揺れのエネルギーを吸収するダンパー等の免震装置で構成されています。

東京千住キャンパスの地盤の地震時の周波数特性を検討した結果、高さ約60mの1号館(W棟)では大地震時に共振する可能性があることがわかりました。このため、1号館(W棟)は免震構造を採用し、建物の固有周期を長周期化することで、共振を防止する工夫がされています。
一方、高さ約45mの2号館(N棟)と4号館(S棟)は共振の可能性が低いため、耐震構造に加え、大地震時の揺れのエネルギーを吸収する制震ブレース(すじかい)を採用し、プラスアルファの耐震性能を持たせています。
今回は、キャンパスを地震の揺れから守る"凄腕の免震装置たち"をご紹介しましょう。

<凄腕その1>積層ゴム(23基もある)

これはゴムと鉄板を何層にも重ねて接着したものです。積層ゴムは、地震時に水平方向に変形することで地面の揺れを建物に伝えにくくする役割を受け持ちます。ゴムだけで作ると建物の重量で変形してしまうため、ゴムを薄く輪切りにして鉄板を間にはさみこみ層を重ねています。このため「積層ゴム」と呼ばれています。免震マンションなどでおなじみの装置ですね。

<凄腕その2>鉛プラグ入り積層ゴム(なんと34基も)

これは、積層ゴムに鉛の棒(プラグ)が埋め込まれている複合免震装置です。鉛の棒を加えているのは、揺れのエネルギーを吸収するためで、次に紹介する鉛ダンパーと同じ効果があります。

<凄腕その3>鉛ダンパー

これは「ひ」の字を90度回転させたような太い鉛の棒をダンパーにしたものです。鉛は金属の中ではやわらかく変形能力が高いことと、変形させた時に再結晶化する性質を持つため切れにくいため、ダンパーとして重用されています。

<凄腕その4>オイルダンパー(10基:南北方向5基、東西方向5基、計10基)

車のショックアブソーバーが横になっているように見えるのがオイルダンパー。この中には油が入っていて、油の流れを調整する弁も入っています。振動エネルギーを油の流体抵抗で吸収し、揺れを抑えてしまう装置です。揺れの方向に応じて東西、南北方向でそれぞれ5基ずつ設置されています。

<凄腕その5>直動型転がり支承(支持荷重2000t×3基、1560t×7基、計10基)

建物を支えながら水平方向に自由に動く"超レア"な装置です。ボールベアリング(鋼材の球です)を入れたレールを十字に組み合わせて水平方向360度自由自在に滑らかに動きます。しかも地震の縦揺れの引張力にも耐えられる優れものだそうです(参考のウェブ動画をみると一目瞭然です)。

<凄腕その6>柱頭免震構造

免震装置は、地盤と基礎の間に免震ピットと呼ばれる専用空間を作って設置することがほとんどですが、東京千住キャンパスでは、環境に配慮し建設残土を減らす目的もあり、写真のように地下1階(駐車場など)の柱の上に免震装置を設置しています(完成後も一部は見られます)。これは柱頭免振構造と呼ばれ環境にも、空間の有効利用にも効果的な工法なのです。

このように、地震対策といっても、いろいろな装置が組み合わされているのです。日頃は意識しませんが、これだけ縁の下の力持ちたちがいれば、安心してキャンパスライフが楽しめそうですね。
参考:社団法人 日本免震構造協会 http://www.jssi.or.jp/


【編集後記】
○電大生が主人公という設定で秋葉原の「ラボ」を舞台としたアニメーション、「STEINS;GATE」が現在独立UHF局を中心に放送中です。東京神田キャンパス本館の正門の描写も放映されました。
○東京神田キャンパスは周囲をオフィスに囲まれ、15分程歩けば秋葉原電気街に到着します。一方、東京千住キャンパスの周囲は路地も多い住宅街で、昔ながらの「下町」といった雰囲気です。本学と、足立区の町工場との交流も活発に行われています。北千住を舞台にした作品もできるといいですね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ご意見、ご感想、情報など是非お寄せください。
【編集・発行】
学校法人東京電機大学 経営企画室 
〒120-8551 東京都足立区千住旭町5番 
TEL 03-5284-5125 FAX 03-5284-5180