本学 機械工学科が“大気環境配慮型SS認定制度”立ち合い機関に指定

2018.07.19

本学の工学部機械工学科が、環境省・資源エネルギー庁が創設した“大気環境配慮型SS認定制度”立ち合い機関に、東京大学、産業技術総合研究所と共に指定されました。

同制度に基づく回収機能付き計量機の評価を、機械工学科の山田裕之教授と学生が、同教授が新たに開発した香取式給油時蒸発ガス評価装置を用いて実施しました。
今後も独創的かつ最先端の研究を行うとともに、その技術を用いた社会貢献をおこなうことで、よりよい環境の実現に貢献していきます。
なお、本件に関し7月17日、資源エネルギー庁及び環境省から「大気環境配慮型SS」の認定申請の受付開始について報道発表がありました。

<用語解説>

・大気環境配慮型SS認定制度
環境省と資源エネルギー庁が共同で平成30年7月1日より実施する制度で、給油時蒸発ガス回収型計量機を導入した給油所(SS:サービスステーション)を大気環境配慮型SSと認定することにより、同種の計量機の普及を促進する制度。計量機の削減性能および導入割合によりランクが分かれます。

・給油時蒸発ガス
給油時に発生する揮発性有機化合物(VOCs:Volatile Organic Compounds)の総称。VOCsは大気中の反応により、PM2.5および光化学オキシダントの原因となることが知られています。従来自動車からのVOCs排出はテールパイプからのエンジン排気が主でしたが、昨今の排出ガス規制強化によって現在は給油時蒸発ガスが最も大きな排出源となり、この実態を受けて欧米ではすでに対策が行われています。

・給油時蒸発ガス回収型計量機
給油時蒸発ガスをノズル近傍に設置した吸引機により吸引し、大気への放出を防ぐ機能を有した計量機。吸引されたガスは地下タンクに戻す方式と液化し再度燃料として使用する方式の2つがあり、日本では後者が主流です。

・香取式給油時蒸発ガス評価装置
東京電機大学が開発した給油時蒸発ガス回収型計量機の性能を評価する装置。可搬式なので、実際のガソリンスタンドでの評価も可能です。ノズル近傍から吸引されなかった給油時蒸発ガスと、回収装置内で回収しきれず大気へ放出される蒸発ガスの双方を捕集し、評価を行います。

山田教授が開発した香取式給油時蒸発ガス評価装置

山田教授と学生達