第39号 「実学を科学する大学」

2011.07.04

 6月14日(火)に顧問会が開催されました。顧問会とは、学園顧問の先生方に学園の事業報告や計画をご説明し、大所高所からのご意見を伺う会であります。当日は顧問および学賓や参与、名誉教授の先生方にもご参集頂き、貴重なご意見を頂きました。
 なかでも私は、吉川弘之先生の「実学を科学する」という言葉に感銘を受けました。先生は、以下のように述べられました。
 人類が築いてきた基礎科学は最も重要だが、現在人類が抱えている環境問題等は解決できない。従来は法則を知ることが真理を知ることだったが、今日それでは十分ではなく、真理がどう現象しているのかが大切である。第4期科学技術基本計画でも「課題解決型イノベーション」が言われ、人類が持つ課題の解決が重要との考えになってきた。まさに社会的期待に応える科学であり、今回の大震災復興で現実問題となったと考えている。
そこで非常に意味があるのが「実学」である。実際に役立つ科学が実学とすれば、実学とは何かを探求する、つまりその結果が実学の教育となる。「実学を科学する」ことは大変チャレンジングな仕事といえる。「TDUルネッサンスと進化」のルネッサンスは人間復興である。「実学尊重」「技術は人なり」を掲げる東京電機大学には、「実学を科学する」、また人間から離れていった「科学技術」を「実学」という形で人間の手に引き戻すという大変大きな革命的な試みで、先頭に立たなければならない。
 私は吉川先生のお話を聞き、本学の責務と期待の大きさに奮い立つ気持ちがした次第であります。

実学を科学する大学 顧問会

☆☆☆理事長メッセージ 第39号(2011.7.4)☆☆☆
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