2016.07.20
5月下旬、伊勢志摩サミットで日本を訪れたオバマ大統領は、現職の米国大統領として初めて被爆地・広島を訪問し演説をしました。私はその内容に感銘を受け、1 年生の授業「東京電機大学で学ぶ」で、その一部を紹介した次第です。
「科学によって、私たちは海を越えて通信を行い、雲の上を飛び、病を治し、宇宙を理解することができるようになりました。しかし、これらの同じ発見は、これまで以上に効率的な殺戮の道具に転用することができるのです。現代の戦争は私たちにこの真実を教えてくれます。広島がこの真実を教えてくれます。科学技術の進歩は、人間社会に同等の進歩が伴わなければ、人類を破滅させる可能性があります。原子の分裂を可能にした科学の革命には、道徳上の革命も求められます」「科学の驚異は人の生活を奪うのでなく、向上させることを目的にしてもらいたい」(オバマ大統領演説より)
実は初代学長の丹羽保次郎先生も、本学が教育・研究理念としている「技術は人なり」についてこのように語られているのであります。
「私は技術も文学や美術と同じく、やはり人が根幹をなすものであることを申し述べたいのであります。すなわち「技術は人なり」といいうるのです。立派な技術には立派な人を要するのです。よき技術者は人としても立派でなければならないのです。ですから技術者になる前に「人」にならなければなりません。技術者は常に人格の陶冶を必要とするのです。」
私は、科学技術は人の幸せを目指すものであり、技術者は常に人格の陶冶を必要とするということを深く胸に刻んで欲しいと、入学して間もない学生諸君の将来に思いを馳せながら伝えた次第であります。
☆☆☆理事長メッセージ 第90号(2016.7.20)☆☆☆
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