第18号「ドクターヘリ」

2019.04.23

 3月9日鹿児島県奄美医師会の招きで、「IoTと医療」に関する講演のため、奄美大島医師会館を訪問しました。医師会館に到着した時、たまたま出発直前のドクターヘリを見せていただく機会を得ました。

 奄美のドクターヘリは、奄美列島付近の離島だけではなく九州全域と沖縄県全域を運航範囲とし、広い地域を対象としているため、ヘリも大型で、室内での治療が容易なように機材もぎっしり積まれていました。また遠距離を飛行することから、巡航速度も日本にあるドクターヘリの中では最も速いそうで、そのせいか機体の流線型度合いも高く大変格好良く見えました。

 那覇市への出動の準備中ということで見学の機会が得られたわけですが、私たちが見学中に医師や操縦士が大慌てで乗り込み、機体がフワッと浮いたかと思うと南の空へと消えて行きました。ドクターヘリであっても航空法には逆らえず、有視界飛行のできない夜間は行動できないため、機体と搭乗の皆様は今日は奄美に戻れず沖縄に宿泊と伺いました。種々様々な制約がまだ多く在り、人を助けるという崇高な使命にもかかわらず、関係者の滅私奉公に支えられた救急活動と言うことが良くわかります。

 ドクターヘリが患者と医師を乗せて運ぶには多くの手助けが必要です。ヘリポートやそれに準ずる場所の確保、ヘリ着陸地点への患者の搬送、病状に適した救急医院の確保とその近傍のヘリポートの発見、およびヘリポート→病院の患者の搬送用救急車の手配など、多くの後方支援を必要とします。すべてが移動しながらの作業ですから、後方支援拠点の通信体制の整備がドクターヘリの有効性を高める􄼴ということは明白です。

 ここでもIoT の役割は重要で、IoTと医療の結び付きは深く、東京電機大学の医療に関する研究・実用化をさらに深化する必要性を痛感しました。

奄美のドクターヘリと記念撮影(左端 大学長)

☆☆☆大学長メッセージ 第18号(2019.4.20)☆☆☆
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