工学研究科 日髙特別専任教授が「電気学術振興賞」を受賞

2021.07.02

工学研究科 日髙特別専任教授が、電気学会「第77回電気学術振興賞 進歩賞」を受賞しました。

受 賞 名
電気学会 第77回電気学術振興賞 進歩賞
受賞研究
第一原理および機械学習を用いた誘電絶縁材料の電気物性予測法の創成
受 賞 者
工学研究科 電気電子工学専攻 日髙邦彦 特別専任教授
受 賞 日
令和3年5月28日
参   考
電気学会

受賞者のコメント

電気学会電気学術振興賞進歩賞を受賞することができ、大変光栄に思います。
この賞は電気に関する学術・技術において新規な概念・理論・材料・デバイス・システム・方式等を新たに提案あるいはこれらの提案を実証し顕著な成果をあげた者を対象として授与されるものです。
対象となった研究課題は、第一原理及びおよび機械学習を用いた誘電絶縁材料の電気物性予測法の創成です。受賞理由としては、重要でありながら未解明な部分が多い絶縁ポリマー中の電気伝導の問題を取上げ、第一原理に基づいた量子化学計算を基本とし、分子動力学計算や動的モンテカルロ計算を併用した多階層モデリング法を開発した上で、最終的には世界で初めて経験則や現象論に拠らず、絶縁ポリマーの電荷輸送特性を予測することに成功していること、更に、経験則等を全く用いない物性計算だけでは解析が困難とされている絶縁破壊強度予測にも挑戦し、量子化学計算に機械学習法を組み合わせることで、気体材料の絶縁破壊電界の予測に成功し、特に、SF6ガス代替として新規に開発された絶縁ガスの絶縁破壊電界および、実用上重要となる沸点を高精度に予測できることを示し、その有用性を検証していること、が挙げられています。