東京電機大学・村松和明教授の研究テーマが採択 開発支援 研究課題「異分野融合型研究シーズ」

2020.07.13

報道関係各位

東京電機大学・村松和明教授の研究テーマが採択
慶應義塾大学病院 臨床研究推進センターによる
令和2年度 開発支援 研究課題「異分野融合型研究シーズ」

学校法人東京電機大学

東京電機大学(学長 射場本忠彦)の村松和明教授(理工学部 生命科学系)の研究テーマ「ヒアルロン酸誘導体で処理された間葉系幹細胞を利用した免疫寛容誘導法の開発」が、このたび、慶應義塾大学病院 臨床研究推進センターによって令和2年度に開発支援が行われる研究課題「異分野融合型研究シーズ」に採択されました。同センターは、日本医療研究開発機構(以下、AMED)が実施する「橋渡し研究戦略的推進プログラム」の異分野融合型研究開発推進支援事業の支援拠点であり、本研究課題への開発支援も同事業に基づいて行われるものです。
村松教授は昨年度の同センターの研究課題(同シーズ)にも採択されており(研究テーマ:生理活性の持続性に優れた新規なヒアルロン酸誘導体を活用した関節機能改善剤の開発)、前回に引き続いての採択となります。
また本学は、慶應義塾大学病院が代表機関として2017年1月に発足した「首都圏ARコンソーシアム」の連携協力機関として、2019年12月より参画しています。この参画を通じて、本学は同コンソーシアムにおける臨床研究の体制強化に協力するとともに、生体医工学分野の研究を推進する大学機関として積極的にAMEDの課題採択を目指し、また臨床研究・治験などにも活用することにより、研究・成果のスピードアップと実用化を促進していきたいと考えています。

■研究課題の概要

[研究テーマ]
ヒアルロン酸誘導体で処理された間葉系幹細胞を利用した免疫寛容誘導法の開発

[研究概要]
臓器移植や同種細胞(患者以外のヒト由来細胞)を利用する再生医療では、免疫抑制剤の使用に伴う移植片の拒絶抑制と感染予防の両立が課題である。一方、間葉系幹細胞(MSC)には免疫を調節する作用があり、同種MSCは重症GVHD(移植片対宿主病(合併症))の治療などに活用されているが、用途や効果が限られるのが現状である。
村松教授は、ヒアルロン酸の分子量の違いがMSCに対して生理活性の相違を生み出すことを発見。そして、従来の研究で開発に成功していた高分子量ヒアルロン酸(HA)誘導体;ポリグルタミン酸グラフト化ヒアルロン酸(PGA-g-HA)は、免疫寛容を誘導する効果が高いヒアルロン酸誘導体であり、安全性の高い免疫抑制・免疫寛容誘導剤として機能しうると考えた。本研究課題では、PGA-g-HAが損傷組織の再生誘導や免疫寛容誘導に対して有効なツール(MSCを培養する際の添加剤)であることの証明を目指す。
本研究課題の実用化により、各種臓器障害やクローン病、急性GVHDなどの疾患に対して臓器移植や同種細胞による再生医療を行う際に移植免疫の抑制を実現できること、さらに将来的にはPGA-g-HA自体を注射製剤として商品化することなどが期待される。

■村松和明教授 プロフィール
・氏   名:村松 和明(ムラマツ カズアキ)
・略   歴:2003年 博士(工学)取得(徳島大学)
2005年 東京電機大学理工学部講師
2008年 東京電機大学理工学部准教授
2013年 東京電機大学理工学部教授
・専門分野:組織工学、生化学、生体材料学
・学会活動等:日本生化学会、日本再生医療学会、日本炎症・再生医学会、
日本バイオマテリアル学会、日本生物工学会








■ご参考
*日本医療研究開発機構(AMED) 公式ホームページ
https://www.amed.go.jp/
*慶應義塾大学病院 臨床研究推進センター 公式ホームページ
https://www.ctr.hosp.keio.ac.jp/
*首都圏ARコンソーシアム(MARC) 公式ホームページ
https://marc-med.org/

<取材に関するお問い合わせ先>
学校法人東京電機大学 総務部(企画広報担当) 担当:本田・多田・石井
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