2025.09.19
NEWS RELEASE
学校法人東京電機大学
株式会社アルビオン(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 章一)と東京電機大学(所在地:東京都足立区、学長:射場本 忠彦)は、AI技術の一つである深層学習※1を用いた新規肌分析方法について共同研究を進めています。このたび肌の透明感の分析に関する深層学習モデル、および、その透明感の指標に基づいた肌画像生成モデルの開発に成功しました。また、本研究内容について第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)カンヌ大会2025にて口頭発表を行いました。
※1 深層学習:人間の神経細胞の仕組みを再現したニュートラルネットワークと呼ばれるモデルを用い、画像認識や音声認識など、人間が自然に行う認知や学習と同じように、コンピュータに学習させる手法の一つ。
良好な肌状態であるとき透明感が高まると考えられています。また、透明感に関連する要素として「肌のキメ」「肌のモイスチュアバランス」「血行」「メラニン」等が関与すると言われています。しかしながら、それらの要素の関連性ははっきりしていないため、透明感の評価は非常に困難となっていました。さらに、透明感の判断は人間の直感的な要素も含むため単純な計算では正確に評価することが難しいと考えました。そこで、人間の神経細胞の仕組みを再現した深層学習に着目し、透明感の評価を可能とする精度の高い深層学習モデルの開発に成功しました(図1 / 決定係数※2:0.88 )。また、この深層学習モデルは肌の透明感を数値化するだけではなく、顔全体に対して分析を実施することで顔の場所による違いを知ることも可能です(図2)。
※2 決定係数:機械学習においてモデルの精度を示す尺度の一つ。0から1の値をとり1に近いほど精度が高い。
研究①より開発された透明感の評価基準に基づいて、さらに深層学習による画像生成モデルの開発に成功しました。この画像生成モデルは現在の肌画像から透明感の変化を段階的に生成することが可能です(図3)。また、本モデルにより透明感を変化させた顔全体の画像生成も可能です(図4)。
これらの技術をさらに進化させ、カウンセリングや商品選びのサポート、スキンケアに対する期待感や満足度向上につなげていきます。
学会名:第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC) カンヌ大会2025
開催地:フランス カンヌ
開催日:2025年9月15日~18日
共同研究者:〇四本 健介1,4、倉元 愛華4、小久保 瑞穂1 、芝池 由樹1 、川野辺 弘子2、林 昭伸3、長谷川 誠4、
(〇:代表発表者、1株式会社アルビオン 研究部 研究戦略グループ、 2株式会社アルビオン 美容開発室、 3株式会社アルビオン 研究部、4東京電機大学)
口頭発表中の四本 健介 研究員
国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)
1959年に結成された、世界中の化粧品技術者による高機能で安全な化粧品技術の開発に取り組む組織です。現在は78の国と地域から48の団体が加盟し、総会員数は約16,000名です。 学術大会では、各国の化粧品技術者が一堂に会し、最新の研究成果の発表や、活発な討論が行われます。化粧品や肌研究の発表の場として世界的に最も権威のある大会の一つといわれています。
株式会社アルビオン
所 在 地:東京都中央区銀座1-7-10
創 業:1956(昭和31)年3月2日
資 本 金:7億6,098万円
代 表:代表取締役社長 小林 章一
従業員数:3,235名(2025年3月時点)
<取材に関するお問い合わせ先>
学校法人東京電機大学 総務部(企画広報担当) 担当:松本・小城・深澤
TEL 03-5284-5125/FAX 03-5284-5180 e-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp
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