自然言語処理の自動生成字幕に関する研究を行う

学部の授業では基礎的なIT知識やツールの使い方、プログラミングに関する技術を学ぶことができました。情報分野の学問の基礎的な能力を培いながら、自分がどの分野に進んでいくべきかについて考える期間であったような気がします。大学院進学のきっかけは、自然言語学(NLP)への興味です。学部3年次の研究室紹介の際に担当教員に出会い、言葉という曖昧なものを処理するという難しさに魅了されて、その研究室に入りました。その後の研究も楽しくて、1年では物足りなかったため大学院進学を決意しました。

大学院では、自然言語処理の自動字幕生成に関する研究を行っています。講演者の発話内容を自動で字幕として生成することで、聴覚障がい者や高齢者の理解を助けるための研究です。字幕の読みやすさを追求するために機械学習を用いて、読みやすい位置で自動的に改行することを目指しています。

印象深い授業は修士1年次の「言語メディア特論」です。特許庁の方にお越しいただき、自然言語処理の技術を使って特許の膨大なカテゴリをどう管理しているかという話を伺いました。自分が研究している学問が実社会でどのように活用されているかを具体的に知ることができました。

自動字幕生成で、読みやすいように自動的に改行する技術を研究自動字幕生成で、読みやすいように自動的に改行する技術を研究

学会 情報処理学会で奨励賞を受賞

私は学部時代を含めて合計3回、情報処理学会で発表を行い、2年連続でFIT奨励賞を受賞することができました。自分の研究が客観的にどのように評価されているかを理解でき、その後の研究の励みになりました。学会発表に向けて、論文を作る際には、自分が研究したものを、論理的に正確に記述する力が鍛えられました。また、発表を通して、どうしたら自分の研究を分かりやすく、魅力的に発表できるかを学ぶことができました。

後輩指導 後輩が理解していない点を把握することと伝わりやすい説明を意識した

後輩がどこを理解できていなくて、その点をどのように説明したら分かりやすいのかを常に意識しながら指導にあたりました。私自身、誰かに一から教えを乞うよりもとりあえず自分でやってみて、分からないところを質問するタイプだったので、後輩を一から指導するのは苦労しました。しかし、どこまで分かっていて、どう説明すれば理解してくれるのかを手探りで探していった結果として、後輩が指導後に学びを深めてくれている光景を見るととても嬉しくなりました。

そして未来へ 内定先 NTTコミュニケーションズ株式会社

自然言語処理をビジネスに応用する仕事をしてみたいと思っていました。NTTコミュニケーションズの自然言語処理・音声処理API「COTOHA API」の開発者と話す機会があり、非常に興味を感じたため、インターンシップに参加しました。同社で言語処理分野を活用したシステムを開発することで、もっと社会の役に立てたいと考えています。

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