先輩からのメッセージ No.4

伊藤 萌 さん
最終所属:工学部 情報通信工学科
卒業年月:令和3年3月卒業
内定予定先:東京都公立工業高等学校
担当予定科目:工業(電気)科

教員を目指したきっかけ・時期

私は工業高校出身ですが、入学のきっかけは教員とは関係なく、食に困らないように資格を取りたい・苦手な電気を克服したいといった理由でした。しかし、勉強が苦手なクラスメイトに教科を教えることや、部活での後輩の指導等、教える・気づかせるといったことを多く経験する中で、人に教えることの楽しさを知りました。また、先生方のものづくりの楽しさを伝える熱心な指導や生徒の将来を見据えた指導が非常に印象的で、その指導に当たる先生の姿を見て、多くの経験や知識と技術を熟知されている教師という職業にあこがれを持ちました。高校入学当初は専門学校に行こうと考えていましたが、高校2年生の中旬には教師になりたい思いが強くなり大学進学を決めました。

教職課程を履修する上で工夫したこと

自身のスケジュール管理を徹底するとともに、教職課程・学科の友人と協力して、課題や発表のスケジュールを確認しあうことで学習を進めました。
シンプルですが、履修することができる科目はできるだけ早く履修することで、あとあと教員採用選考などに十分時間を割けるように、また、もし単位をとれなかったときにもう一度余裕をもって履修ができるようにしました。

教職課程を履修した上で特に役立ったこと

各科目では教職に関する様々な分野のエッセンスを取り入れることができ、実際の教員採用選考の内容も多く学ぶことができます。授業の中ではディスカッションやグループワークなどが多く組み込まれており、他学科の学生との関わりを経て、様々な考え方に触れることができます。また、学習した事柄は教職だけでなく、実生活で役に立つものや、教養として知識が広がるものも多くありました。具体的には教育心理学を履修することで、周りの行動の理由や考え方をより理解できるようになったことや、教職課程論を履修することで、自分たちが小中高とどういった課程を、どういった狙いで学習に取り組んできたのかなどを分析することができたといったことが挙げられます。

採用試験対策について

〔筆記試験(専門教科、一般教養、論作文等)〕
3年生の春から半年ほどかけて採用選考対策のDVDをみて、一通りの単語を聞いたことある状態にしました。採用選考の勉強を本格的に始めた時期はかなり遅く、3年生の2月頃(春休み)からでした。少なくとも1日2時間以上、時間がとれる日には8時間ほど試験対策をしました。試験直前の1か月くらいは後悔しながら寝る間も惜しんで勉強していたので、教員を目指すみなさんはもう少し早い段階から始めることを強くお勧めします。
教職教養と専門教養に関しては、最初に過去問をいくつか行い何がわかっていないかを理解するところから始めました。その後、苦手な教科を進めて、集中力が切れたら息抜きに好きな教科に取り組むといった方法で進めました。試験直前の1か月前には実戦形式に近い問題(過去問や予想問題など)を解き、できなかったところをしっかり確認して本番に臨みました。小論文に関しては、教職の先生にフィードバックをもらい教員採用選考を受ける友人と共有しました。
お勧めの教材は教職教養に関しては演習問題がついたものを、専門教養に関しては実際に工業高校で使っていた教科書が役に立ちました。

〔人物試験(面接試験)〕
私の所属する教育学研究室に過去の先輩が残した採用選考の事後レポートがあったので、それを参考にして対策を進めました。
採用選考を実際に受ける学生が集まり、集団討論や集団面接の練習をしました。研究室の先生が面接官役をやってくださり、最後にフィードバックをもらいました。他の人の受け答えの仕方や考え方などを聞くことで知見が広がり、自分の考え方にも深みが出たように感じます。私は新型コロナウィルスの影響もありキャリアセンターを利用しづらかったですが、東京都の採用選考の面接は個人面接なので、こちらを活用するのもよいと思います。

教育実習の体験談等

生徒によって学習の理解度に差があり、ある生徒は3分で解くことができる問題でも、ある生徒は30分かかるということを知り、それらを踏まえたうえで授業を展開する必要があると感じました。
他の先生の授業を見学し、今後の自分の授業の参考にさせていただけた点がとても良かったです。また、実際に教壇に立つことはもちろんですが、授業の準備のためにどのくらい予習するのか、プリント作成などにどのくらい時間がかかるかといったことが実際に体験できた点が今後の役に立つと思いました。教壇実習後に見てくださった先生方からご指摘いただけた点も非常に参考になりました。

勉強以外にやっておいた方が良いと思ったこと

可能であればアルバイトでは塾の講師をやってみたり、教育支援ボランティアなどの教える経験を多く積んでおくことをお勧めします。こういった経験がのちの教育実習での教壇実習や、採用選考の模擬授業や面接の話題にも大きくつながっていたと思います。
もう一つ私自身が後悔したことは、たくさん本を読んでこなかったことです。模擬授業などの際に適切な言い回しなどが見つからず、伝えたいことを伝えられないという経験を何度もしました。本を読み語彙力をつけることで授業だけでなく、面接でも自分の伝えたいことを伝えることができますし、卒業論文や授業案の作成などの書面でもか必ず役に立つと思います。これは大学に入る前からでも実践可能ですので是非参考にしていただけたらいいなと思います。

将来、どのような教員を目指したいか

私が考える理想の教師の大事な要素として、「子供の成長を第一に考えて、様々な教育活動を行える」「知識・技術に加えて経験が豊富である」という2点が挙げられます。これらの要素を念頭に置いたうえで、生徒の気持ちを尊重することができ、資格勉強や課外活動といった様々な活動をしっかり支えられるようになりたいと思っています。特に工業高校生は社会に出るのが普通科の高校生より早い生徒が多いので、より多くの経験をしてもらいたいと考えています。その場ではもしかしたら生徒にうっとおしいと思われるかもしれませんが、最終的に(数年後、数十年後でも)「あの先生いい人だったね」と言われるような先生になりたいです。

これから教員を目指す電大生へメッセージ

東京電機大学は多くの学科で複数の教員免許をとることができ、例えば私が所属する情報通信工学科では、中高一種(数学)、高一種(情報)、高一種(工業)の3つの免許を取ることができます。様々な勉強を進めていく中で自分に合った科目を見つけていくことができます。他大学に比べ、授業の設計や模擬授業に多く時間をとってくれるので、教育実習や教員採用試験の模擬授業等、実践的なスキルを磨けるのも魅力的だと思います。準備すればするだけ自信もつき堂々と振舞うことができますし、教職課程の先生は現職の先生とのつながりも多くあり、たくさんの情報を得ることが可能だと思いますので、そういったものを武器にして採用選考で頑張っていただけたらと思います。近々皆さんと一緒に教壇に立てることを楽しみにしております!

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