2021年9月 今月の顔 井ノ上寛人 助教

2021年9月号から今月の顔、未来科学部 井ノ上寛人助教をご紹介します

学生と共に夢を実現する

~研究者になるという自身の夢を叶え、学生をサポート~

未来科学部 情報メディア学科
井ノ上 寛人 助教

2010年 東京電機大学大学院 理工学研究科修了、2012年 宇都宮大学大学院 工学研究科修了、博士(工学)。同年 日本学術振興会 特別研究員PD、2013年 東京都立産業技術大学院大学 助教を経て、2016年より現職。

私には将来実現したい夢が幾つかあるのですが、そのうちの一つが、研究者になりたい、できればいつか大学の先生になりたいという目標でした。なので、私は夢の一つを実現したということになります。人生の分岐点は指導教員の先生が大学院への進学を熱心に勧めて下さったことでした。本当に感謝しています。そこで、この夢を発展させて、「研究や講義を通じて学生に夢を見つけてもらい、それを一緒に実現する」ことを次の目標としました。

私の専門は、一級の感性を持つデザイナーやクリエイターが直感的に実践してきた領域に科学的再現性がある手法の導入を目指す「感性工学」という学問です。Webアプリケーションやビデオゲームを開発する上では、機能の精度/性能のほかに、機能性に包含される使い易さ(usability)やその使用体験(user experience)を通じた感性的な満足感も重要な設計要素となります。

「インタラクティブメディアとデザイン」のハイブリット授業の様子(2021年前期)

科研費などでは「カメラが高速で移動する3DCGゲームの眼精疲労を防止するレンダリング手法の確立」といった研究に取り組んでいます。本研究に取り組んだ学生は大手ゲームメーカーのプログラマー職として働くことになり、「ゲーム会社に勤めたいという子どもの頃からの夢が叶ってとても嬉しい」と報告してくれました。そのときの笑顔が印象的で、よく覚えています。

また、数学が好きでテキストマイニングに関する研究に取り組み、研究開発職に採用された学生は、「勉強するとお給料がもらえるという、夢のような生活を送っています」と報告してくれました。私自身が研究職に就いたときに同じようなことを言った記憶があり、感慨深いものがあります。研究指導を受け持つようになってから5年程が経過しますが、新しい夢も少しずつ実現できそうに思えてきました。

研究室OBOGと記念撮影(2019年)

一方で、学生に夢を見つけてもらえるような授業内容や研究テーマを設定することの難しさも痛感しています。面白い研究や講義を展開できるように自身も成長することを抱負とし、本稿のまとめとさせて頂きます。

学園広報誌「TDU Agora」Vol.45(2021年9月号) 今月の顔より転載

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